今朝は、早くからTVをつけて、NHKを見ていました。
よく考えてみると、1月17日という日付に仕事が休みだったことは、これまであまりなかったかもしれません。
あれから21年。
番組では、小さい頃に被災し、大学で防災を学んで、今は神戸の「人と防災未来センター」に勤務する女性の活動を追っていました。
印象的だったのは、その女性が「子供たちに震災のことを伝えて風化させないために、子供としてあの経験をした自分だからこそ、子供に伝わるような言葉を選んで伝えられるのだ。」というようにおっしゃっていたことです。
その言葉には、自分の使命や役割をしっかりと意識した力強さを感じました。
地震の発生した5:46に黙祷をささげた後、淡路島から、島の皆さんの「花は咲く」の合唱が中継されました。東日本大震災の被災者と心を一つにという思いだそうです。
「叶えたい夢もあった。変わりたい自分もいた。」という歌詞が響きます。
犠牲となった6434人の方には、それぞれに叶えたい夢や将来の展望があったに違いありません。
でも、その人生は突然絶たれてしまいました。
そして、親しい方をなくされた方や被災された方の未来も、あの日から大きく変わってしまいました。
あの震災を体験された方やつらい思いをされた方には、もう忘れてしまいたいとか、思い出さないようにしている方もいらっしゃるでしょう。
忘れられず、この日は格別な悲しみや寂しさがこみ上げる方もいらっしゃることと思います。
また、時間の経過とともに、起きたことの捉え方を変えて、忘れてはいないけれど、前を向けるようになった方も多いと思います。
忘却は自分を守る方法です。
自分の気持ちに蓋をしないで見つめることも大事なことです。
自分のストーリーが変わることで、過去の経験の記憶が違った意味を持つこともあります。
きっと大勢の方が、自分に合ったサバイバル法を長い時間かけて見つけてこられたのだと思います。
私は、普段は震災のことも震災によって影響を受けた方の存在も忘れがちで、TVを見ながら申し訳ない気持ちや後ろめたい気持ちになりました。
それでも、こうして番組を観て反省する機会だけでもできてよかったです。
今年は、昨年が震災から20年で一区切りというムードなのか、報道のされ方が小さくなったように感じます。もちろん阪神淡路大震災だけというわけではありませんが、忘れていってしまうことの軌道修正をする機会として、ニュースやTV番組は大きな役割を担っていてくれたのですが・・・。
そろそろ、マスコミのリマインド機能に頼らず、自分で忘れない仕掛けをする時が来たと考えた方が良いのでしょうか。
そして、先日のスキーバス事故で亡くなった若い方々にも輝く未来がありました。
ほんとうにほんとうに痛ましいことで、その無念さを思うと「花は咲く」の歌詞が、ことさら胸を打ちます。