6月1日、大坂なおみ選手が、「うつ」に長らく苦しんでおり、全仏オープンを棄権したことが報道されました。

その日の朝、TVのニュースで報じられた時、
NHKは「うつ病」と言わず、民放では「うつ病」と明言したので、視聴者として混乱し、
実際どうなのか、ご本人のツイッターを拝見したところ、

“I have suffered long bouts of depression.”

と表現されていたので、確かに、どちらの訳も間違いではないと確認できました。

NHKは、「うつ病」という病気が、世間では誤解を受けがちなため、配慮をしたとも考えられます。
一方で、民放が、どのような表現をするのか検討した上で、「うつ病」としよう!と決めたのならいいけれど、
なんの想像力もなく、躊躇なく「うつ病」としたのなら、ちょっとそれはどうよ、という気もしました。

さて、大坂なおみさんのニュース以降、アスリートのメンタルヘルスへの関心が高まっています。

6月3日の報道ステーションでは、国立精神・神経医療研究センターの小塩靖崇先生が出演し、
現在、ラグビー選手らと協働し「よわいは つよい プロジェクト」を立ち上げ、
これまで研究がなされていないアスリートのメンタルヘルスの研究に取り組んでいると
おっしゃっていました。

メンタルヘルスの問題は、いまだにネガティブな印象が強く、医療や心理のサポートを得ることを、
「恥ずかしい、隠したい」と思う方々が、まだまだ多数派だと感じます。

今回の大坂なおみさんの件をきっかけに、アスリートだけでなく一般の方々にとっても、
メンタルヘルスのことを、もっと身近に感じていただき、
予防開発的視点の啓発や、早期発見・早期対応の推進につながるとよいなと思っています。