ISによるパリでの同時多発テロ事件が起きた日、私は、AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)という対話型組織開発の勉強会に参加していました。

アプリシエイティブとは、“真価を認める”、インクワイアリーとは、“探求・問いかけ”の意味。

 

AIは、ポジティブ・アプローチと呼ばれています。

通常やりがちな問題解決指向、つまり課題や問題(悪い所や足りない所)を見つけて改善していくやり方(ギャップ・アプローチ)ではなく、既にある強みや良さを見出して、それを伸ばしていくというやり方です。

まだまだ、日本では実践する側も勉強中で、私も2ヶ月に1回、南山大学名誉教授の津村俊充先生のオフィスで、仲間と一緒に、形だけではなくフィロソフィーもハラに落とそうと研究会に参加しています。

 

その研究会の中で、津村先生から、AIのプロセスすべてがやれなくても、組織の全員が参加できなくても、「アプリシエイティブなレンズ」を持った人が組織内にいることだけでもよいのではないか、という話がありました。

 

アプリシエイティブなレンズとは、アラ探しをしたり、異質性を非難・排除するのではなく、その人あるいは自分自身の真価をしっかりと認める目を持つということと理解しています。

しかし、このアプリシエイティブなレンズは、とても外れやすく、ついつい他人にも自分にも否定的な視点を持ってしまいがちです。

 

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パリでの同時多発テロの背景には、憎しみや報復の連鎖があるのでしょう。

その連鎖を絶つには、アプリシエイティブなレンズがキーワードになると思います。

かつて、カール・ロジャーズが、エンカウンター・グループによって、北アイルランドの紛争解決に力を注いだことが、今回のことにも何らかの示唆を与えるような気がしてなりません。

きっとあの時、エンカウンター・グループに参加していた人たちには、対話を重ねるうちにアプリシエイティブなレンズが装着されたのではないでしょうか。

 

今回のテロで犠牲となられた方に、心よりお悔やみを申し上げます。

また、体や心にケガをされた方々に、お見舞いを申し上げます。