働く人と組織のメンタルヘルスを支援するオフィスソトコト木下芳美です。

 

ようやく録画しておいたNHKのドラマ「途中下車」を観ることができました。

http://www.nhk.or.jp/drama/tochuu/index.html

 

原作は「日経トレンディ」の編集長だった北村森さん。

ご自分のパニック障害(今ではパニック症と呼ぶようになってきています)の経験を書かれているようです。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309021247/koueniraicom-22/

私はこのドラマを通じて、この本のことを知ったので、「ぜひ読まなければ」と思っています。

 

さてさて、主役の北村一輝さんの役者魂には驚くことが多いですが、今回もさすがでした。

(最近では、〇ゥルースリーパーのCMでの歌いっぷりがスゴいですね・笑)

中でも、スーパーのレジ待ちで発作を起こして店を飛び出した後、高架下で声を出して泣くシーンには、私ももらい泣きをしてしまいました。

パニック発作が起きた時の演技を、どうやって編み出したのか、相当な研究をされたに違いありません。

この病気の当事者がどんな思いでいるのかの勉強に役立ちそうなほどです。

心療内科でのカウンセリングでは、パニック症の悩みを抱える方から、どんな症状なのか話を伺う機会は多いですが、北村さんの演技を見て、改めて「なるほど~」と思ってしまいました。

 

どうしても仕事柄、カウンセラーがどのように描かれるかには大変関心があります。

これまで観たドラマでも、時々カウンセラーという立場の人が登場しましたが、「なんだかなぁ~」「カウンセラーという職業が誤解されるなぁ」と思うことが多かったです。

ところが、このドラマで野際陽子さんが演じるカウンセラーは、多少のデフォルメはあるにしても、開業カウンセラーとして、とても現実的で常識的だったように思い、ほっとしました。

 

そしてそして、主人公が妻から「カウンセリングどうだった?」と尋ねられ、「時間の無駄!話聴いてるだけで。あ~損した損した!」と返事をした場面には笑ってしまいました。

病気を認められず、家族からカウンセリングへ行くよう言われてイヤイヤ来た人や、カウンセラーがすぐにでも治してくれると期待満々で来た人の感想として、「カウンセリングあるある」だからです。

もちろん、こういう感想を持たれる背景には、カウンセラーの説明不足の問題もありますが。

 

治っていく過程も、原作者の実体験ですからよく描かれています。

ご本人が自然に不安場面への挑戦をするシーンや、発作が起きそうになった時に息子からもらったキャンディを何味か当てようとした場面など、認知行動療法のエッセンスがあちこちに見られて、患者さんへの心理教育の教材としても使えそうです。

 

そして言うまでもなく、ドラマとしてのクオリティも高く、なかなかの秀作でした。

主人公が息子と二人で海に行ったり立山黒部に旅行した場面では、ハラハラしながらも温かい気持ちになれ、自然と自分の顔がゆるんでいるのがわかりました。d165b6f35bf45be956f97e37ae1fa68e_s

 

 

 

 

 

 

世の中には、パニック症の方や予備軍の方がたくさんいます。

そういう方の中には、今回の主人公同様、仕事が大好きでハイパフォーマー、弱みを見せたくなくて頑張り続けるタイプの方も多くいらっしゃいます。

もし、そういう方が、年末年始の休みに入る今のタイミングにこのドラマを観てくれて、自分のライフスタイルや行動パターンを見直すきっかけにしてくれたらいいことだよなぁと思っています。

この休みに、力を抜いて、ぐるりと周囲を見てみたら、これまで見過ごしてきた幸せの種に気付くのではないかと。